つくば自立活動研究会の概要をご説明します。
ご挨拶
本研究会のホームページをご覧いただきありがとうございます。
本研究会は、特別支援教育の要である自立活動の指導の充実と発展に向けて実践研究を行う志をもつ教師や学生、研究者などが参画して活動に取り組んでおります。
自立活動の指導は、個々の幼児児童生徒の実態に基づき指導目標や指導内容、指導方法等が指導を担当する教師の裁量で設定して行われることから、担当する教師は自分自身の指導に対して悩みや不安を抱えていることが指摘されています。また、幼児児童生徒の実態が一人一人異なるため、過去に取り組まれている授業実践をそのままなぞるだけでは、目の前にいる子供の指導にマッチしないことも少なくありません。自立活動の指導は、子供の実態や教師の持っているスキルなども違うことから、全く同じ実践はありません。しかし、各教室で行われる指導過程で生じる様々な事柄を整理すると、学校現場で起きている今日的な課題が浮かび上がり、職場の枠を越えて課題を共有しながら追究することが可能となります。本研究会では、各会員の自立活動の指導実践で生じている様々な課題について科学的に分析しながら改善に向けた方法知を共有することを目指して、個人研究と会員が協働して取り組むグループ研究に取り組んでいます。
その成果については、各会員の職域で発揮するとともに、関係学会等の場での発信を重ねてきました。自立活動の指導の充実・発展が求められる中、本研究会の取組の成果を広く社会に発信して、より多くの方と共有していく新たなる取組の一つとして、本ホームページを開設する運びとなりました。
本研究会の取組についてご理解いただくとともに、掲載した情報を参考にしていただければ幸いです。自立活動の指導や研究に生かしていただける情報を随時発信していけるよう、研究会の活動も促進させて参りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
2022年8月 つくば自立活動研究会代表 北川 貴章
研究会のコンセプト
『実践を科学する』
当研究会のキーワードは
「つなげる、まとめる、つたえる」
研究会メンバーの日々の実践や悩み・各学校や地域の課題を「つなげる」こと、定例研究会での議論や各グループ研究を通して「まとめる」こと、教育研究の場で「つたえる」ことを目的としています。
研究会のあゆみ
本会は、2003年(平成15年)から活動している自主的な研究会です。会は主宰者である安藤隆男先生(現本会顧問・筑波大学名誉教授)の呼びかけによって生まれました。活動開始当初から、会の主なメンバーである特別支援学校等の教員が、自立活動などに関する学校現場での実践の話題を持ち寄り、発表及び協議することを通して、実践力の向上など教員としての成長を目指し、学び合ってきました。また、いくつかの研究テーマを設定して、興味を持った課題に共同で取り組むグループ研究も実施してきました。講師をお招きする講演会も年1回のペースで開催してきました。
主にグループ研究でまとめたことを発信しようということで、2004年~2009年の特殊教育学会において5回にわたって「障害児教育における教師の成長とティーム・ティーチング」と題した自主シンポジウムを企画し発表しました。ここ数年のグループ研究では、特殊教育学会及び障害科学学会において、ポスター発表をしています。個々の会員も積極的な発表を心がけています。
教育実践と研究を結ぶ経験を積むと共に、メンバー個々の関心事を会員間で共有するために、2018年度から会員全員によるポスター発表会を実施しています。また、年度末に一年間の活動をまとめた年報を作成するようになりました。近年、会員の中から研究職に就くメンバーが徐々に増え、会の運営の中心的役割を担う存在となっています。
2020年~2022年はコロナ禍への対応として、ポスター発表会も含めてオンライン開催としています。今後の状況に応じて、対面とオンラインを取り入れたハイブリッド方式など、会の持ち方を検討し工夫していくことになると思います。これまで約20年の歩みの中で、遠方の研究会とオンライン共同開催をしたり、実技研修会を開いたりと、様々なことを試みながら活動してきました。
2022年11月 つくば自立活動研究会顧問 渡辺 政治
メンバー
安藤隆男先生(筑波大学名誉教授)のもとで学んだ教員を中心に、特別支援教育に携わる多様なメンバーで構成しています。
研究会会則より、「会員は、会の目的に賛同し、連絡先を登録し、会費を納めたもの」としています。
会費は年額3000円(学生会員は年額1000円)です。
取り組み
年に6回程度の定例研究会を開催しています。
自立活動に関する授業実践紹介や当該課題に関するグループでの研究に取り組んでいます。
活動場所は筑波大学(つくばキャンパス、文京キャンパス)、筑波大学附属桐が丘特別支援学校を主としています。
2020年度から新たな試みとして、オンラインによる定例研究会を開催しています。
また、各地域の自立活動研究会、関係する研究会と情報共有を行うなど連携しています。
研究会で得られた成果は日本特殊教育学会、障害科学学会などで発信しています。